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第漆輪 小さな救世主
2008-05-27 Tue 23:20
「あれ・・・」
無我夢中で鉱山区に走り込んだユミは完全に目標を見失っていた。
(どこにいったんだろう)
辺りを見渡せどどこにも人の姿はない。
日が落ちかけているせいもあって視界は良くなかったが、それにしても人の姿がなさ過ぎる。
物音一つしない静けさだった。
ユミはようやく自分がどこに入り込んでしまったのか気が付いた。
鉱山区の傍らにあるガルカ族の居住区。
共にバストゥークを築き上げたヒューム族を嫌い、外界との接触を避けてきた者
達の集まり。
他の区に住むガルカ族でさえも近寄る事を嫌がる場所だった。
ユミは次第に肌を刺すような寒気に襲われた。

カラン―

どこからともなく何かを引きずるような音がする。
何者かが、徐々にユミに近寄る気配を感じた。
(!)
ユミは息を飲んだ。
鼓動が高なり呼吸が荒くなる。

カラン、カラン。

その音は徐々に大きくなった。
ユミはその場に座り込み恐怖のあまり動けなくなってしまった。
(誰か… 助けて)
その時だ。その音のする方向から地を這うような低い声が聞こえてきた。
「我ら気高きガルカ一族の領地を侵すのは何者か」
そう発するとその声の主はさらにユミに近づいた。
そしてその姿があらわになる。
背丈はユミの5倍いや6倍以上。
まるでロンフォールの獣人オークを思わせるかのような巨体。
顔は髭で覆われはっきりとは見えないが、その瞳は殺気だっているようだった。
右手に大きなつるはしのようなものを持ち、今にも殴りかかるような勢いだ。
ユミはガタガタと震え上がり声も出せない。
「応えよ娘。我らに何を望む。これ以上何を奪う。」
ガルカはさらに近づく。
ユミはもう成す術を持たない。もう、このまま終わってしまうのかもしれない。
そう諦めかけた時だった。

「おーおー、ちょっと可哀想なんでないかい?」

頭上から誰かの声が聞こえた。
ユミもガルカも同時に空を見上げる。
ガルカ族の家の屋根の上。小さな頭がひょこっとこちらを覗き込んでいた。
「な、何者だ?!」
ガルガが一声する。
「何者って言われてもねぇ。俺はただの通りすがり・・・」
そういうと声の主は立ち上がり屋根の上から・・・飛んだ。
(え・・・!)
ユミが心の中で驚きの声を上げる。
刹那の時間空に飛んだその人物は見事地面に降り立つ・・・はずだった。
思いのほか着地点が悪く、家の脇に並べてある樽へと突っ込む。
ガラガラガラ、ガシャーン。
鉱山区の一角に派手な音が鳴り響いた。
「いててて・・・」
バラバラに壊れた樽の中から現れたのは、小さなタルタル族の男だった。
「あ!」
ユミが思わず声を上げた。
その男が黒いローブを着ていたからだ。
男は立ち上がり、服についた埃を振り払いながらユミの前に立った。
そしてガルカに言う。
「えーっと、・・・なんだっけ?」
「貴様・・・!」
とぼけた表情をするタルタルの男にガルカが怒りをあらわにする。
慌ててタルタルの男が弁解をする。
「あぁ、ごめんごめん。そう怒りなさんなって」
その弁解が逆効果だった。
ガルカは歯を剥き出しにしてつるはしを振り上げた。
「きゃあ!」
ユミは思わず目を閉じた。
しかしその後に続く音はなく何故かシーンと静まり返っている。
(?)
ユミは恐る恐る目を開けた。
「うそ・・・」
そこには不思議な光景が広がっていた。
手をガルカにかざすタルタルの男。その先でつるはしを振りかざした体制のまま、目を白目にさせて硬直しているガルカ。
何があったのか・・・ユミには理解する方法が見当たらなかった。
タルタルの男が手を下ろすとガルカがその場にドサっと倒れこんだ。
「すごい・・・」
ユミが感動の声を漏らしているのもつかの間。
まるでそれを見ていたかのように居住区全体の家々の灯りが灯った。
そして四方から怒り狂った呻き声のものが聞こえてくる。
「おっと、さすがにまずいかな~」
タルタルの男がひょうひょうと言う。
「まずいって、あのぉ」
ユミはどんどん不安になっていく。
それを察したのかタルタルの男がユミの方を振り返り、手を差し伸べてきた。
「立てるか?」
「あ、はい」
その手に引かれユミは立ち上がった。
「皆さんお怒りのようなんで、ずらかるとしますかね」
ユミはその答えに無条件で賛成した。
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