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第弐輪 夢の結合
2005-11-06 Sun 19:51
「闇の契約が結ばれた。」

(え?)
ユミはハッとして目を覚ました。
どうやら昼食をとった後、モグの看病をしているうちに眠ってしまったらしい。
「…夢?」
ユミは体を起こし、あたりを見渡した。
隣でモグが静かな寝息を立て眠っている。
「モグちゃん…。」
ユミはモグの頭を撫でてみせた。
(今の夢…何か関係あるの?)
心の中でそう思うも、今のモグには何も聞けない。
ユミは少し歯痒い思いをしていた。
―もしも、本当に世界が終わってしまったら…。
「ユミ~。」
ナツミの声がした。
ユミの思いは断ち切られ、ふと我に返る。
「は―い。」
ユミは急々と部屋を出た。
ナツミがキッチンで昼食の後片付けをしていた。
「何?」
「モグちゃんのお薬切れちゃうから、買ってきてくれない?」
「あ、は~い。」
ユミは返事をすると家を後にした。



バストゥークの商業区は、休みのせいもあって大勢の人々で賑わっていた。
大きな噴水のあるバザー広場から、グスタベルグへと繋がる通路、鉱山区へと繋がる大通り。
どちらも多くの買い物客であふれかえっている。
大半の人数を占めているのは、この国の創元でもあるヒューム族とガルカ族ではあるが、その他の種族も皆楽しそうに買い物を満喫していた。
この様子だけを見れば、三国には何ら隔たりなどないようにさえ思えた。
ユミは噴水周りのバザー品を覗く客を掻き分けながら、目的の薬屋へと急いでいた。
一難去ってはまた一難。ユミは何度も人にぶつかっては「ごめんなさい」を繰り返した。
やっとの思いで噴水のバザー広場から抜け、小さな階段を降りきったが、ユミはまたしても人にぶつかってしまう。
「きゃっ。」
ユミはバランスを崩し転んだ。
「いたたた…。」
少し痛みが走ったが、幸いにもかすり傷さえも負わず、ユミは膝を払い再び歩きだそうと体を起こした。
しかし、ユミはこの後"あるまじきモノ"を目にする。
視線は目的の薬屋をとらえるまで二転三転左右にふられ、その視界の中にそれは確かに存在していた。
一瞬店の売り物かとも思ったが、明らかにそんな空気ではない。
まがまがしい体つきと黒い羽根に尖った尾。
絵本の世界や宗教の"それ"に現れるような悪魔の子供。
まさにそのものだった。
(!?)
ユミは思わず目をこすった。
「あれは闇の使い。」
その時だった。突然背後から背筋の凍るような冷たい女の声がした。
ユミは驚いて振り返る。
今自分が降りてきた階段の最上に、頭まで被った全身ローブの女が、こちらを見下ろしていた。
ユミにはそれが何なのかさえ理解できなかったが、女は全身を黒い炎のようなもので包まれていた。
ユミは恐れおののきガタガタと震えた。
初めて直面する本当の恐怖だった。
女はユミの背後を指さし、フードから僅かに覗く口元に薄笑いを浮かべ続けた。
「奴らは、この世界の査定をしている。」
言葉の意味はまったくわからなかったが、一つだけユミにもわかる事があった。
これほどまでに恐ろしい事態が起こっているのに、街の人々は誰一人として気にかけていない。
いやむしろ… 見えてさえいないようだった。
ユミは全身に嫌な汗が流れるのを感じた。
そして、この直後女が口にした言葉がユミの中で確実なリンクを完成させた。

「そう…闇の契約が結ばれた。」

ユミは自分の耳を疑った。
それは、確かに夢の中で聞いた言葉だった。
「あ、あの…。」
混乱しながらも、ユミは何かを言おうとしたが言葉にならない。
今は言葉より恐怖という思念が体全体を支配していた。
「…間もなく、この世界は闇へと還されるであろう。」
女がそう告げると、女を包んでいる炎が勢いを増し、ユミの目前まで迫った。
ユミは思わず目を伏せた。
…数刻後、恐れながらも目を開けた時には、もう既に女の姿はなかった。
街に紛れていた闇の使いもいつの間にか消え、ユミの耳には再び街の人々の賑わう声が戻っていた。
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ゼク君へ♪
さっそく一番手のコメントありがとうございます(*゜ー゜)
ちゃんと読んでくれてる人がいると知って、かなり安心してますw
しかもゼク君に至っては3回も読んでいると…w
是非この調子で第弐輪も3回読んでください(おいおい…)

まだ駆け出しですが、本作は今後皆さんがびっくりするような、また思わずニヤッwとするような展開を考えていますので、
これからもご愛読の方宜しくお願いします(^人^)
そして、私を支えてくれているお姉さまが編集しているP-smileの方も、是非とも宜しくお願いしますm(_ _)m
2005-11-08 Tue 18:28 | URL | 月渚 #-[ 内容変更] | top↑
なにげに第一話三回読んでいるゼクロスです。
ヽ( ゜ 3゜)ノ 今回第二が公開された情報を聞き付け、即読ませていただきました。
普段行き来きしている世界が出てきているので、その時の状況等がリアルに伝わってきて楽しく読ましていただいてます。
今後どんな展開になっていくのか[興味があります!](☆。☆)
次回も楽しみにしています。(・ω・)ノシ
2005-11-07 Mon 02:34 | URL | ゼクロス #-[ 内容変更] | top↑
 
 
 
 
 
 
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